バトーが好き
日本人的なのだろうかと思うのですが
ジャン=アントワーヌ・バトーが好きです
もののあはれ的思考なんだろうなあと思います
彼の絵の中の切ないものが好き
華やかなのに陰鬱で儚いところとか
どっちかわすれたけれど、
カラヴァッジョかレンブラント的な光の表現をしていて
その光に当たる人物は切ない感情でいることがしばしばあって
「シテール島への巡礼」も、(諸説あるけど一般的には)
出会い、これからの幸せに胸を高鳴らせているだろうカップルを描いているけれど
中央にいる女性だけは、それがほとんどの場合永続的なものでないことがわかっているんですね
わたしがずっと飾っているのは
「二人の従姉妹」なのですが
中央に位置する女性は背を向けていて
表情が見えず、しかしそばには恋人同士が幸せそうに戯れている
背景には銅像があって、それがビーナスなのかは定かではないのですが
考えていることはこちらが推測するしかない
けれども、きっとセンチメンタルに思い更けているような、そんな絵。
どの絵も構図が奇妙だし、彼は背を向ける絵をよく描いています
彼の死後、急激に彼が作り出したブームは終わり、
芸術家を目指す若者達には彼の絵は紙くずのように扱われます
そういうところもとても好きなんです
この間立ち読みした、
見るべき絵画1000選の中で2作品が入っていました
バトー展、日本でウケると思うなあ