2018/08/30 夏の思い出

今日、マジで何もしていない。

お昼に病院に行って薬をもらってきて、家に帰ってゴロゴロしていた。

マジで何もしていない。先方から仕事が大幅に遅れると連絡があり、一度ストップして欲しいとのこと。

いつも休みの日にしていることは、料理を作ったり、映画館にこもったり、美術館に行ったり、小さな集まりに参加してみたり、本を読んだり、パソコンでこうして文字を打ったりしている。

北海道に向けて節約しているので、どこかに行くのには気がひける。

で、していることといったら、ユーチューブでぼくのなつやすみ4の実況をひたすら見ている。

 

今年の夏はとても充実したものだった。

一年ぶりくらいにひとときちんと関わった。

や、もしかしたらそれ以上の年月、関わりを避けていたのかもしれない。

闘病、マジのマジでとても辛かった。病気になるべくしてなって、なってよかったと思うけれど、よく生き残ったな。まだ治療は続いているけれど、それもあと少し。10月まで薬を飲まなきゃいけないのだけれど、それ以降西洋の病院に通うのは不眠症の薬を出してもらうのと、大学に復学して、やりたいことが精神分析学や心理学に関係しているので、学問的なことで相談するために通うのだ。楽しみ。

徐々に回復してからはとにかく本を読んだ。

命が尊いなんて嘘で、ましてや自分などと思っていたけれど、本を読むとどうやらそうではないらしかった。それで考えた。もし、今までの環境によって”洗脳”されているのなら、そこから脱出できるのかも。

そしてどの本にも脱出することは思ったより簡単にできるらしかった。

あらかたやさしい学問の本を読んで思ったことは、あらゆる知識はひとと関わらなければ自分のものとして会得できない、で。

めちゃめちゃ喋るの嫌だったのだけれど、どうにかこうにか周りの助けがあり、関われるようになった。

 

__________

明日を生きるために今日を生きていない、今を一生懸命に生きているひとたちと関わらせてもらっている環境が大きかった。引きこもり生活から、朝5時に起きててっぺんを超えてから寝ているような生活に変わり、一生懸命に自分のことを話すひとをみていると、今までの自分の考えはやっぱり違うのかもしれなかった。

 

夏に1週間以上一緒にいさせてもらったこども(以下彼ら)は、びっくりするくらい面白かった。

控えめであんまり話さないこに「一番好きな教科は何?」と聞くと、「理科」とのこと。「理科の中でもさ、生物とか物理とかあるじゃない、その中では何が好き?」と言うと、「DNAがすごく好き!〜〜〜とか、〜〜〜とか、〜〜〜の構造が〜〜〜〜〜〜〜」と熱弁し始めて、満点を取ったこともあると言った。そこで違うこが話に入ってきて「なるほどね〜」と言いはじめて、もう全然話に入っていけなくなった!

毎日体調を聞くのだけれど、一緒にいて数日たって「実はずっと熱がある」ってカミングアウトしてくれた。ものすごい心配したのだけれども、教えてくれて嬉しかった。

そして暑い中やり遂げたんだよなあ。

 

フォートナイトというサバイバルゲームの実況で”カーモンベイベアメリカ〜”みたいなダンスがあって、彼らといる間に何気なく踊ったら、みんなが知っていて歌い出して驚いた。

80年代以降の古い曲だと思っていたのだけれど、今の曲なんだと知った。笑

あるこはそれを聞いた日、一日中「カ〜モンベイベ〜」と歌っていた。それも六本木ヒルズで撮影しているときにも。笑もちろん迷惑にならないくらいの大きさで。

ああ、そうだ、夏休みがないって言っていた。”夏季自宅学習期間”らしい。そしたら結構みんなそうみたいだった。

勉強が嫌で仕方ないって言っていたので(聞けばそれは壮絶に勉強していた)、「めぐちゃんはね、19歳のときまで勉強なんてしたことがなかったんだよ。SVOCの意味がわからないくらいアホだった。予備校入ってね、そしたらとっても楽しくなっちゃって、いまでは勉強が大好き。」と言うと、そこにいた彼らはびっくりして口々に「絶対勉強を好きになることはない」って断言するものだから、「絶対勉強好きになるよ、勉強って実は一番の贅沢なんだ」って言った。

彼らはとても仲が良くって、最後Tシャツにサインし合っていた。

わたしも背中に書いてもらったのだけれど、みんなで爆笑しながら書いていて、彼らは「お別れしたら見てね!それまでみちゃダメだよ」と言った。

彼らとの約束を守り、家についてから寄せ書きをみると、「本当にありがとう!絶対映画監督になります」や、「また会おうね!」や、「勉強頑張ってね。一番贅沢してね。」などと書いてあって、泣きながら爆笑した。

 

チームの彼らを支えるにあたり、おとなのリーダーの人と、サポートのわたしの2人体制だった。どこのチームも一緒。でも、彼らが帰ったあとおとなたちだけで2時間くらい話し合っているのでチームのこと以外も知ることができる。話し足りなかったりすればご飯を食べながら話す。

そこにいるおとなはとっても素敵なひとばかりで、「こうやってテーブルで囲んでみんなでご飯食べるっていいですねえ」って勝手に口からこぼれた。(いつもはホラーゲームの実況を見ながらご飯を食べているので。それはそれで楽しい。)

この間のワークショップで、素敵なおとなのひとに「ずっとこういうことして暮らしていきたいです」って言ったら、「もうやってるじゃない〜」と言われた。

 

また、舞台の照明オペをやったこともとても大きかった。誘ってくださったのは14歳のときにとてもお世話になった、これまた素敵なひと。

命をかけているおとなたちと出会った。言葉にすると浅はかになってしまうけれど、魂の会話をしていると思った。いまだったらもっとうまくやれたかもしれないけれど、そのときのわたしは120%の力を出し切ったと思う。ミスなど、ちょっと、いや結構悔いはある。もっとできたし、やりたかったなあ。

そして押し殺していた、波長を合わせる作業を自分からできるようにした。葉っぱの一枚一枚の揺れを感じ取ったり、空気を知ろうとしたり、五感をとにかく研ぎ澄ますこと。それをすると日々の暮らしがきつくなる。ちょっとしたことがすぐわかるようになったり、他人の感情に呑まれて息が詰まったり、具合が悪くなったりするのだ。

本番の途中では嘔吐が止まらなくなったりした。ほかのひとの波長に完全に呑み込まれてしまった。その本人に「やれると思ったからやってる!やれないと思ったらやってない!わたしはやる!」と逆ギレしてしまったりした。ただでさえ”見えないもの”を形にしてみせるすごい集団だ。呑まれてたまるかと思ったし、もっと一緒にいたかったから、最後までやると決心した。

ゲーゲーしていたら、「苦しいこともあると思うけれど、めぐちゃんの持っているものは捨てちゃだめだよ」と言われた。心にずっと残っている。

ええいままよと芝居時代のことを思い出した。唸り声をあげてストレッチをして自分に集中していたので、同じようにした。服装ももうどうでもいいので、申し訳ないと思いながら長袖を脱ぎ、包帯を巻いた。

階段なしのロフト、三畳くらいのところで、音響のひとと5日間一緒にいた。わたしの精神が脆いことをすぐにわかってくれて、メンタルケアをしてくださった。とても深くお話しをした。

一緒に暮らしたみたいだった。だんだん心が繋がっていって、話し合ってタイミングを合わせるのは初めだけになった。

客電が消えて、真っ暗になる。でも初めのタイミングでミスすることは一度もなかった。

おこさんにプレゼント差し上げたり、わたしが大好きなひとのインタビュー雑誌のコピーを持って行って見てもらったり、すごくうっとおしかったと思うけれど全部真剣にまっすぐに受けとめてくださった。

やられた!と思ったのは、千秋楽の、本番が後数分で始まるとき、おもむろにプレゼントをくださったこと。嬉し悔しで、いや、とっても嬉しくって、何個もプレゼントが入っていて、それ全部に意味があることがわかって(だって渡す袋ですらーわたしはロシアの映画監督のDVDを差し上げたのだけれどーロシア語が書かれた袋だったのだ)、とにかく絶対に成功させる、と思った。

素敵すぎてあんまりにも悔しかったので、嫌だろうなあと思いつつもこんな嬉しいこと共有せずにはいられず、打ち上げで彼がどんなに素敵か(そこにいるひとはわかっているだろうに)力説した。

最後に、「こういうの嫌いなんだけど...」と言われたので謝ろうとしたら、それじゃなくって、名刺を渡すことをあんまりしたくないのだけれど、と名刺をくださった。始発の電車で家について速攻お礼のメールをしたら、これまた速攻で返信がきて、それで、長い長い文章で、泣いちゃった。

 

誘ってくださった素敵な女性と会うたびにハグをさせてもらった。もう大好きすぎてシッポがあったら常にブンブン振っていたと思う。またお会いしたいなあ。

お二方の舞台はあんまりにもすごすぎて、すごすぎました。すばらしい舞台を照明のミスで壊さないかのプレッシャー...でもとても楽しかったなあ。

 

さらに嬉しいのは、そこで出会ったひとが今度小さなワークショップに誘ってくださったこと。、、、わたし、芝居をするのだ。

芝居なんて何年ぶりだろう!おっかなびっくり、でもワクワクする。

もうやることはないと思っていたし、いるのだけれども、ちょっと勇気を出してやってみる。そのひとはとても面白いひとで、とにかく光属性なのだ。またお会いできるのが嬉しいなあ。

これは残暑の思い出になるな。

 

 

あと、高校生のときに一番仲良くしてくれたおとこのこと遊んだ。

新宿待ち合わせで、わたしはあんまり得意ではないので、調べて穴場そうなところにしてもらった。

伊勢丹の屋上庭園はおすすめ。のんびりできるし、芝生にごろっと横になれる。

彼はもちろん既に働いていて、研究職に就いていた。大学で専門でした勉強の話や、今の仕事の話を少しだけ聞いた。

「高校のときわたし迷惑ばかりかけてしまった」と言うと、彼は「迷惑と思われていることが迷惑だ」と言った。だから、「楽しかったなあ。」と返した。

高校のときとは全然違う話しをして、楽しかったなあ。

 

__________

怖いことがある。自分が楽しかったり、言われて嬉しかったことをそのまま受け取ることが怖い。何度か書いた文章を見返してみているけれど、これがほんとうにあったことなんて信じられない。

嫌なことはすぐ受け取れる。自分を責めることってすごく簡単だ。

喜びを受け入れるってすごく怖い。だって、ほんとうじゃなかったら、どうしようって思う。

怖いことを克服するのにもやっぱり勇気が関わってくる。

ねえ、今書いたこと、全部ほんとうのことだよ、と自分に言ってみる。

ほんとうなんだ。ほんとうにこの夏に起こったことなんだよ。

 

今書いてきた思い出は、気軽に会ったりすることはないだろうし、いつも一緒にいるひとたちではないひとたちだ。

もう会うこともないひともいるだろう。

 

あれ、今までと思っていたことが変わっている。

 

 

命って尊いし、だから自分の命も尊いし、

ひとと関わるのって楽しいし、生きていてもいいんだし、

生きることには責任があるし、

そして幸せでいていいんだし、幸せじゃないか。

 

 

最近ずっとこんなことばかり書いているのだけれども、23歳、気がつけたのがとにかく感動の連続で、だからずっとこんなことを書いている。