終わりに
私はいつだって孤独だった。
孤独のままにいすぎてしまって、寂しい、人恋しい、羨ましいという感情が麻痺してしまった。
それらの感情を全て取り戻したい。
この話をすると、「いいなあ、無駄な感情がないなんて」と言われるけれど、無駄な感情というものは存在しない気がする。かつてはそうは思わなかったけれど。
孤独でいることの強みを捨てるための絶対的な糧がほしい。でもそんなものは存在しないし、自分がこれから孤独を捨てようと思ったとき、果たして身体や心が本心から私の意思に沿うものとも限らない。
孤独でいることは、人一倍弱いのだと思う。
パートナーを持つ人が私と関係を持とうとしたとき、断固として断ることができるのは限りなく真に近い孤独であることの証だ。欲に負ける弱さより、それを断ることの方がよっぽど弱いことだ。倫理を抜いて考えると。
機械的な人間だと思う。そんな自分は嫌だ。自分を変えたい。
今までも意識的に自分を変えてきた。そして変わることができた。
だから変わりたい。
自分の中の愛を取り戻したい。
愛を取り戻した先に別の弱さが待ち受けていることを知っている。
でも、今自分が持つ弱さより、愛の先の弱さを選びたい。
また人を愛したい。
そのためにはとにかく自分を大切に、素のままでい続けることをひたすら繰り返すしかない。それには他者はあまり必要としないし、今できる最大限のことだと思う。
また何か発見したらここに留記したいと思うけれど、当面はやめておく。
自分を大切にしようとすると、人のことを過剰に傷つけてしまうから。
もうすでに。