2021/08/03

「年を重ねてお金をもっと自由に使えるようになったら10代〜20代前半の人の支援をしたい。あわよくば自分でもそういう場所を作りたいんです。」と言うと

「それが過去のあなたを救うことにつながるから?」と言われた。

そうです、その通りです。

 

今日初めて先生から聞いたのだけれど、

「僕はいつも変わらずここにいますから」と過去にさらっと言った先生でも

トラウマを持った患者と向き合うのは相当しんどいらしい。

 

誰にも話していないような暗い暗い部分を話すと

「その時のあなたは精一杯頑張っていたと思う」と言われる。

それに対して私は「分からないです」と答えるけれど

本当に分からない。けれど、ずっと誰かに助けてほしいって思って生きていた。

 

「世の中は本当に不平等だよね。周りから守られて育つ人もいれば、何にももらえないで大人になる人もいる。昔は死ぬまでに誰の人生も帳尻があって、トントンになるって思ってたんだけどな〜。」と先生が言うので

「トントンになると思いますか?」と聞くと

「ならないと思う」と先生。

それでも、

「私は私の人生で良かったです」と主治医に言うと

「えー!もうそこまできてるんだー!」と喜ばれた。

 

いつも先生に必ず言う。

「何もかも”ため”にするんです。今まであったこと全部自分の糧にするんです。」 

 

先生は人を殺すことが仕事の一つの人たちを多く診てきたという。

そういう人たちをケアするのは本当に本当に大変らしい。

「先生、でも人類史においてほとんどの時代ヒトは同族殺しをしてきたじゃないですか。そう考えるとよく人類は今まで生きてこられましたよね。」と言うと、

本当にそうだね、と。

 

ものの本によると、ある時代では些細なことですぐ死刑になるし

死刑の現場がエンタメ化していたことがあるらしい。

ものの本によると、ある時代では人を奴隷にして殺し合いさせて

喜んでいた人がいたらしい。

 

いのちの重さは時代や地域、環境によって目まぐるしく変わっていく。

 

そういう人たちの生き残りで、それでも生きるのだ。

もっと善い未来を作りたいから。見たいから。

 

わたしのいのち

 

己の醜さを知りつつも、それにできるだけ抗い、

精一杯の良心を持ち、自分と自分以外の人のためになることを考え、

できることを見つけてこなそうとするささやかな日々の、なんと尊く幸せなことか

 

地味だけれど確かな、強くはないけれど揺るがない、

長く続く弱火のような自分の心の暖かさを失わずに生きよう