2019/08/09

退院した。

かなりの早期退院だったなあ(先生に言わせるとそうでもない)と思った、というか

「退院可能な一番早い日に出て行きます」と言ったのだった。

ここでは命が守られていて...

いられるならずっとここに住みたいけれど、そうもいかないから。

だから出て行くのが早い方が自分にも他の人にもいいと判断した。

心を少しおいてきたので、ああ、これが寂しいという感情か、と久々に胸が痛む。

幻覚と幻聴が激しい、両親と同じくらいの年齢(には到底見えないのだけれど)の女性ととても仲良くなった。

いつもいい匂いがしていて、優しくって、優しいが故に幻聴にもわかっていても回答するような人で、最後の方はずっと一緒に、隣で、体が暖かいなあと思いながら甘えていた。名残惜しくって、お別れの時になんども抱きついた。

 

また、もう少しだけ生きようと思う。

”普通の人”が当たり前にできる、ただ生きるということが

どうしてわたしにはこんなに辛いものになってしまうのだろうか。

 

病院での経験は大きいものだった。

 

ギリギリで生きる人たちの、何と美しいことか。

何もかもが痛くてたまらなくて、それでも生きようとする人たちの

何と美しいことか。

 

わたしだけだった。退院したくないのは。

みんな、早く退院したいと言っていて、そして未来を夢見ていた。

 

今はまだ少し勇気が足りないけれど

近いうちに、わたしも未来を夢見たい。

 

わたしじゃない人たちが、わたしの命を続ける努力をしてくれたから、

今ここにいるということを、忘れずにいようと思う。