2020/11/24 もう弱くない

昔は奪われても泣くしかできなかった

力がないから、泣いていたら違う人からまた奪われた

そうやってズタボロになって

いつしか糞まみれの道でのたれ死ぬのだと思っていた

 

わたしの身体に尊厳というものは存在しなかった

いつも誰かの奴隷だった

 

電車のなかでわたしの身体は触られる

道端で抱きつかれたことや、太腿を弄られたこと

無理やりキスされたりなんていう事は日常茶飯事だった

わたしの知らない人たちがわたしの主人だった

 

何もかも諦めて、かろうじて生きる道を選んだ

灰色の日々は虚しさだけが残った

 

いつしかチリが降り積もり、偶然にもチリが発火した

 

わたしの身体は燃やし尽くされ、

火達磨になったわたしを見て主人たちは恐れおののき、そして誰もいなくなった

 

そうしてようやくわたしは自由になった

 

からだじゅう傷だらけだ

もうそんなに良くなることもないのはわかっているけれど

いいの、いいの。

生き残ったから

いいの、いいの。

愛している人が沢山いるから