効率良くなんてできない

誰もがそれになり得るし、日本ではほとんどの人がなると言われている一種だけれど

わたしは自分が心身症以外には勝手に脳が急速に若返っているみたいに感じた。

単純なことさえもできない。

だから、評判のいい病院をネットを使って調べることさえもできない。

何がダメで何が正しいかが分からない。

 

それでも問題の根底に目を背け続けていたとき

2年前くらいのときに引越しをした関係で

病院も近くのところに移動した。

紹介状を書いてもらったその病院で、

モンスターみたいなお医者様が主治医につき、

あまりにも愕然としてなんと表現したら良いのか分からないけれど

とにかく攻撃的で、来ている服を剥ぐような人で(比喩表現)

覚えている言葉は「君は多重人格障害じゃないの?」

「ここはもっと症状が重い人が来る病院だから」だった。

前述したように、自分のこれまで培ってきた判断基準が分からなくなっていたので

自分が弱いからこんなに辛い気持ちになるのかと思って

母親に確認したら、そんなところはやめろって言ったので、

安心して病院を変えた。

 

次のところは数打ちゃあたれ、と思って

検索して一番近くの病院に行った。

そこは凄く人気な病院なようで、朝一で並んでも

診察は夜になる、みたいなところだった。

わたしは基本的に精神科や心療内科

人間として接してもらったことがなかったので

別にいいやと一番人気の先生は指名しなかった(そっちはわりとすぐ入れる...と言っても聞いている目安から一時間くらいは待ったりした)。

当時は住居環境のために不眠症だった。

何回か行った後、朝だと待ち時間が短縮できるみたいだったので

朝営業前に寄ったらもう行列ができていた。

よくわからないので並んでいるおばさんに聞くと

「ここで並んで整理券をもらって、何時にかかれるか聞くのよ」と言った。

行列だったのだけれど、わたしが困っていることを心配して、

どうすればいいか他の人も教えてくれた。

自分たちが困っていて、良くなりたくて

寒い中朝から列に並んでいるのに

もし割り込まれたらなんて雰囲気なんてまったく無かった。

少しそのおばさんとお話しをした。

寒いですね、そうね、冷えるわね。

「わたしがこの病院にかかっているんじゃないのよ。

娘なの。でも働いているから、今来られないの。」

そうなんですね、それは大変だ、病院へ行っても待たなければいけませんし...

本当言うと、わたしは誰にでも話しかけたくなってしまう人なのだけれど

そのおばさんは話したそうではなかった。

 

教えてくれた人たちは、みんな優しい優しい目をしていた。

それでとっても嬉しかったのだけれど、

その中で一人だけ、今でも強烈に忘れられない目がある。

若いのに、かわいそう。かわいそう。

その目はそう言っていた。

 

その後半年くらいその病院にお世話になった。

多分そこではじめて原因を話した。

人気のないすぐ入れるほうの先生といっても、

あそこの先生は人として見てくれた、

ちゃんと話しを聞いてくれた、

とてもとても希少な素晴らしい先生だったと今は思う。