2021/04/09 どこで折り合いをつけるか
最近のアニメはジェンダーに気を使っているのがとても分かるので安心して見ていたけれど
七つの大罪というアニメの一話と二話を見てあまりの酷さに愕然とした。
ヒロインっぽい女性が胸を勝手に揉みしだかれたりスカートをめくられたりするシーンがあったけれど、その女性は特に抵抗も何もせず怒りもしなかった。
分かろうと思えば分かる、元々2012年から連載が始まった漫画だ、今よりそういうセクハラに目くじら立てる人はいなかったのかもしれない。
「男子の夢」だと肯定する人もいるだろう、架空のキャラクターで現実ではないのでそうしたことは問題にはならないという人もいるだろう。
長く連載が続いているから、きっととても面白い作品なのだろう。
ただ、、、ただ、、、心の底から悲しくなった。
知らない人に急に胸を揉まれたりスカートをめくられたりしたら、
ただの恐怖でしかないし、恥ずかしいし、悲しいし、辛いし、苦しいし、
涙が出てくるし、トラウマになって日常生活に支障をきたすと思う。
架空の話だからといって、そういうキャラクターデザインで良いのだろうか...。
でも、とはいえ2012年の段階で、そういうことに気を使っている人がいたかというと、わたしにはわからない。
あまり覚えていないし、そもそもまだアニメはここまで大衆に人気だっただろうか、
それならば、あまりそうした問題については触れられないのは仕方なかったのか...。
私自身、映画を専攻で学んでいると、過去の酷い映画を沢山見ることになる。
例えば、初期の映画には黒人は出演することを禁じられていたし、白人がわざわざ黒塗りをして白人女性を襲うような描写があったり、
初期の西部劇では先住民をとことん悪者にして殺しまくる、みたいな映画がざらにある。
日本では昭和の映画なんか酷いのばっかで、女性はセクハラされ放題だ。
だから、こうしたことに対して、どこで折り合いをつけるか、
そういうことを考えないといけないのだと思う。
別に過去の作品を攻撃したいのではない、ただ悲しい。
過去はそれで良かったのかもしれないけれど、今は駄目なことは沢山ある。
それで良かったのではなく、誰かがそれに耐えていただけだけれど...。
10年後はもっと良くなっているだろうか。