2020/11/06

今更ながら『8Mile』(2002)を見た。

良。

エミネムかっこ良。

 

この映画を見るとトランプさんを支持する人のことを理解できる気がする。

なぜトランプさんが大統領になったのか、その意味をもう少し考えようと思う。

貧困層の白人の暮らしを貧しいものにしているのは黒人でも移民でもなんでもなく、さらに私腹を肥やそうとする権力者(人種は関係ない)のだけれども、白人以外のせいと思い込む気持ちは分かる。

あと白人というだけで黒人から目で殺されているシーンがあってキツかった。

ただ、白人でも実力があれば黒人は評価していて、これがアメリカだ〜という感じ。

日本で勝ち上がるには、実力があっても評価されないから、そういう西洋の価値観は素晴らしい。

力のないものは死ぬ。シンプルで残酷だけど。

日本は力のないものでもかろうじて生きられる。わかりづらいけどそう考えると不安は軽減される。

どっちもどっちだな〜〜〜

 

今、授業でjazzを勉強している。

人種差別のことを永遠と学ぶのでキツい。

コロンブスは義務教育課程ではわりと肯定的に教わったが、今考えるとやったことは鬼畜以外のなんでもなく、Wikipediaには奴隷商と書いてあった。

 

日本にたまたま生まれたので、自分たちの祖先が他の国に対して何をしてきたのか、何をされたのか、そういうことを知った上で生きている。

他の国でもキツい。

先に住んでいた人たちを殺しまくって、奴隷として別の地域から無理やり連れてきた人を、死ぬまで働かせたり殺したりレイプしたりしまくった人たちの子孫。

世界中を植民地化し、奴隷化させまくった人たちの子孫。

そこに住んでいた人たちをゲームのように虐殺し、大きな文明を滅した人たちの子孫。

自分たちの利益をより多くするという、ただそれだけのために、自分の分だけでは飽き足らず他人の分までをも奪い、少数の人間が、大勢の人間のほんのささやかな幸せすら奪いつくす。

そうして生き延びてきた人間の子孫が私たちだ。

そして今でもその構造は変わらない。

私は今、暖かい太陽の光で目が覚める。銃声の音で起きることはない。いつ起きるか分からないテロに怯えることも、自分の命を守るために誰かを殺さなくても生きていける。

食うものに困らず、寒さに震えることがなく、アルバイトしないで勉強だけに集中でき、毎日が幸せだと思っている。

そういう人が世界人口の中でどれくらいいるのかというと、限りなく少ない。

恵まれている人は、恵まれている分、重い責任が肩にのしかかる、と思っている。

あるいは、権力のある人は、権力がある分だけ、責任がある。

その責任を放棄すれば、恐ろしいことが起こる。

放棄すればするほど、その責任は自分の子孫が負うことになる。

 

もうたくさんだ。

もうたくさんだ。

 

今の自分の幸せの上でさえ、誰かの犠牲の上に成り立っていると思う。

それはきっと死ぬまでそうだろう。

だから、せめて、できるだけのことはしたい。

非力な自分であり続けるわけにはいかない。